現代はInstant Fameの時代である。市井の人が、マスメディアによって国民的ヒーローに仕立て上げられる一方で、絶対的と思われたスターや政治家の人気が一晩で失墜するといった例は枚挙にいとまがない。さらに、Web2.0がそうした傾向を加速している。マスメディアの力を借りなくても、YouTubeやMySpaceを使って数百万人の注目を集めることが、少なくとも原理的には可能になったのだ。
だれもが、有名になることを夢見て、「自己表現」「情報発信」にいそしむ時代。しかし、インスタントヒーローは、登場したときと同じように、いや、それ以上に加速度をつけて忘れ去られて行く。「人の噂も七十五日」ということわざがあるが、今やせいぜい75時間がいいところだろう。
こうして、ヒーローやスターが生まれるサイクルは確実に短くなっていく。まったく新顔が突然有名人の仲間入りを果たしたかと思うと、瞬く間に消える。かと思うと、古い顔がなんらかの要因で脚光を浴びることもある。
メディアテクノロジーに発展とともに、ますます移り気になっていくメディアの受容者。そして、そんな我々に翻弄され、入れ替わり立ち替わり現れる「有名人」たちの顔、顔、顔...
日々移ろいゆく使い捨てのはかない名声を、文字通り「顔」に着目することで描き出すことを試みる。
