いつか音楽と呼ばれるもの, iPhone, Max/MSP @ 18 February 2009, Comments Off

先日紹介した「iPhone×Music」、予約していただけましたか? さっそく10数名の方が予約を入れてくださったようで、感謝感激です。発売が待ち遠しい… 一方でどんなレビューがつくのか怖いなぁ、という気持ちも正直あります。

さて、今回はその本の中から。

本の中でたくさんのアプリケーションをレビューしているとお伝えしました。150近いアプリのなかでも特に力をいれて、詳しく分析・解説したアプリケーションが10個ほどあります。その一つが

RjDj RjDj album です!

#ご存じかとは思いますが、RjDjとは環境音を取り込んで音楽に変換する「反応音楽」アプリケーションです。


今回は、永野・金子の二人によるレビューだけにとどまらず、RjDj開発元へのインタビューを行いました!お話を聞かせてくれたのは、プロジェクトの最初期のメンバーで、RjDjの開発を統括するで、Gunter Geiger氏です。ここでは本に収録されているインタビューの一部を本から転載するとともに、原文の全文を紹介します!!


“iPhone×Music iPhoneが予言する「いつか音楽と呼ばれるもの」”
(徳井 直生, 永野 哲久, 金子 智太郎)

Webサイトには、1999年にRjDjのアイデアを最初に思いついたとあります。同じ記事には、技術的な制限から思いついたアイデアをいったんはあきらめたとあります。現在と当時を比較して、RjDjを可能にしたテクノロジーの進化の最大のポイントはなんでしょうか。

(Gunter Geiger: G) 技術面での最大の進展と言えば、やはりポータブルデバイスのサイズと計算能力でしょう。あともう一つ、テクノロジーとは関係ない面もありますが、こういったデバイスがメインストリームになりはじめているということも付け加えなければなりません。昨今、だれもがmp3の入った携帯電話をもっています。いずれ近いうちに、RjDjシーンを再生できる電話をみなが持つようになればと願っています。

自作のシーンを追加できるようにする予定はありますか? それとも、一定のクオリティを保つためにオープンにはしないつもりでしょうか? RjDjをシーンを売るためのプラットフォームとして考えていますか?

(G) オープンにします。RjDjはもともとオープンなプラットフォームとしてつくられたものです。現時点でシーンが追加できないのは、iPhone上でのシーンの配布に関して未解決の問題があったからです。App Storeを介さない方法でiPhoneの上にコンテンツを入れるのは、一筋縄ではいきません。Appleだったら話は別ですが。

ただし、もうすでにこの問題は解決できました。新しいバージョンでは自由にシーンを追加できるようになるはずです。そうなれば、たくさんのクリエィテブなユーザーを引きつけることでしょう。シーンの作者が自作のシーンを販売できるような仕組みも用意する予定です。

BjörkRadioheadのような大物アーティストのシーンをリリースしてみてはどうでしょうか。

(G) そうですね。今、ちょうど複数の大物アーティストと交渉中です。近いうちにリリースの計画もあります。

sprint (RjDjのsceneを作るワークショップ) を日本で開く予定はありますか? 楽しみにしているのですが。

(G) 地元でサポートしてくれる人が必要です。あとは日程を決めて、やるだけですね! 日本でsprintができたら最高です!

Bloomと比較されることが多いのではないですか。Bloomについてはどう思いますか?

(G) Bloomは大好きです。すばらしいアプリケーションです。ブライアン・イーノの考えは、RjDjのコンセプトと一致していると思っています。競争というわけではありません。

ただ、RjDjの方がより一般的です。きっと近いうちにBloomを生成するシーンを書く人が出てくるでしょう。それはすばらしいことです。なぜなら、私たちも(Bloomのように)生成的なプロセスを使ってすばらしい音楽を作れると考えているからです。

RjDjやBloomのような音楽ソフトウェアが一般化したら、レコード会社はどうなるでしょう? ミュージシャンの友達にギターやPro Toolsは捨てて、プログラミングを勉強するように勧めるべきでしょうか?

(G) いや、そんなことはないでしょう。サンプリングしたアコースティック楽器の音を使ったシーンも作りました。他の音楽アプリケーションと比較して、RjDjの長所はマイクを使っているという点です。生音は電子音楽をより人間的にします。あなたの友達には、Pro Toolsは捨てる必要はないけど、もう一歩踏み込んでみようとお伝えください。(Pdの)プログラムを学んでRjDjに音を入れてみたらどうでしょうか?

ブログの更新が滞ってます。iPhoneアプリのリリースもストップしてます。このところ動きがほとんどなかったように見えますが、その間、何をしていたかというと….

本を書いていました。


“iPhone×Music – iPhoneが予言する「いつか音楽と呼ばれるもの」”
(徳井 直生, 永野 哲久, 金子 智太郎)

共著者の永野哲久さん、金子智太郎さんとともに議論に議論を重ねて仕上げた一冊です。(iChat上での議論だけでも、のべ数百時間にのぼるのではないでしょうか)僕にとってもはじめて本になります!

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(左: 永野さん 右: 金子さん)

「iPhone×Music」という表題と説明(「100を超えるiPhone音楽アプリをレビュー!」)だけをみると、iPhoneの本のように受け取られるかもしれませんが、ごめんなさい、違います。iPhoneの本ではありません

iPhoneはあくまでダシです。「iPhoneというレンズを通してみる音楽の未来」が本のテーマです。

「いつか音楽と呼ばれるもの」城一裕さんも交えてさんざん語ってきた内容、そしてこのブログでつらつらと書いてきたことが、この本のベースになっています。僕にとっては、ここ数年間の作品の制作・研究を通して考えてきたことの成果がここに凝縮したといってもいいくらいです。悩みながら日々もがいてきた結果がこの本です。


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とはいえ、今回の本のために150ちかいiPhoneアプリケーションのレビューを新しく書きました(主に永野・金子が担当)。実際には音楽カテゴリーのほとんどのアプリケーションを試しています(総数300以上!)。レビューのイメージは、永野さんのブログのRjDj/Bloomの解説のような感じです。ひとつのアプリを技術的な観点(永野)と美学的な観点(金子)の両側から深く掘り下げています。

なぜiPhoneなのか、なぜiPhoneが音楽の未来像を体言するのか。ぜて書店で手にとって読んでみてください。iPhoneの音楽アプリで遊ぶときに、違和感 -わたしたちが普段、音楽と呼んでいるものとのちょっとしたズレ- を感じているあなた。そんなあなたのための本です。

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いつか音楽と呼ばれるもの @ 08 September 2008, Comments Off

IAMASの永野くんが中心になって、「音楽の未来を考える」というテーマでゆるくやってるポッドキャスト「いつか音楽と呼ばれるものを考える」が更新されてます。第12回目にあたる今回は、iPhone発売後最初の回ということで(前回からだいぶ間隔があいてしまいました..)、僕や永野くんを含めたAudible Realitiesの4人で、iPhoneと音楽の関係性について話しました。

いつか音楽と呼ばれるものを考える #12
7/11 iPhone 3G発売後,初のいつか〜ということで,今回はAudible Realities特集!
いつかメンバー全員が参加しているAudible Realitiesは一体何をやっているのか?
いつか〜との関係は?
iPhoneは新しい音楽のあり方を切り開くのか.
DJ,プログラマー,サウンド・アーティスト,研究者,それぞれの視点でiPhoneを読み解く.

Audible Realitiesの基本コンセプトがこのトークの中で少しでも伝わればいいのですが…

音を使ってユーザが見ている環境を少しだけ変化させる。その違和感が時として現実をよりリアルに感じさせる手助けになったり、またある種のトリップ感を生むこともあるかもしれない。マクルーハンのいうとのころを、電子メディアにおける「全感覚的体験」、あるいは「声(音)の復権」の実験を、研究室や美術館の枠を超えた実生活、実社会の中で行う。つきつめれば、そういうことになるでしょうか。

次なるステップとしては、Audible RealitiesのAugmented Realityとの接近、つまりある種の現実の射影として情報を可聴化してユーザの耳に届ける、といった試みを考えられないだろうか… そんなことを考えています。

Podcastは、いつも通り脱線が多すぎました。すいません。打ち合わせなしのぶっつけ本番トークなので、その辺ご勘弁ください。
それにしても、良い笑顔だな :-) > 写真の中の僕

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いつか音楽と呼ばれるもの @ 02 June 2008, Comments Off

7回目の今回、東京芸大の金子さんを新しいメンバーにお迎えし、マッシュアップを中心に1時間半みっちり語っています。「いつか音楽と呼ばれるもの」のblogも永野君が用意してくれました。
(5、6回は公開準備中です!!)

いつか音楽と呼ばれるもの #007

金子さんがメンバーとして加入したことで、視野が広がると同時に、新しいアイデアが議論の中に盛り込まれていく感じがしてます。今後もこうした議論を、自分の制作にフィードバックしていくつもりです。

このblogでも何度も紹介している、永野氏のmovalprocess. 現在、テスターを募集中だそうです。先着順だそうなので、お早めにどうぞ。

movalprocessをブラッシュアップしているのですが
その前に,これで曲(らしきもの)が作れるのか,面白いのかイマイチ不明なので
曲を作ってくれる人(+テスト)を募集します.

やっと動き出したな!おめでと!!

いつ音 – 第三回目永野たけみつ氏がその存在を初めて明かした、Moval Processの全貌が今、明らかにー!!!

完全にパクりコピーしすぎてて、オリジナルのデモとの区別がほとんどつきませんが… 強いて言うなら Audio Unitのエフェクトが機能としてかなり強力だということでしょうか。

できたらエフェクトのパラメータも画面上の位置関係でコントロールできると良いのにね。それをやると、SONASPHEREになっちゃうか :-) Sovalsphere!