iPhoneは「手のひらサイズのMac」ではなかった

Mac OS Xの次期バージョンからは、ユーザの音楽ライブラリにアクセスできるのは、iTunesとQuickTime、およびその他のApple謹製のソフトウェアだけになります。

と発表されたと想像してください。どう思いますか?

前回のポスト「iPhoneは『プログラミングのできるウォークマン』ではなかった」は、予想以上に反響がありました。iPhone内の音楽ファイルにサードパーティーのアプリからもアクセスできるようにしてほしいという要望に対して、賛同のコメントまで多数頂きました。ありがとうございました! 新しい音楽の可能性の芽を摘んでしまうことに対する僕の問題意識が伝わったようでうれしいです。

はてなブックマーク上でのコメントを見てると、「なぜ?」「もったいない!」という意見と、「Appleだから仕方ない」といったあきらめの感想にまじって、「そういうの、逆ギレって言うんじゃないの」という意見が… :-) そんなに風に考えたことがなかったので、非常に興味深く拝見しました。確かに表面上だけを捉えると、「勝手に幻想を抱き、それが叶わなかったことに対して怒っている」、という単なるイタい人なのかもしれませんね。

自分がなぜそこに気づかなかったのか。考えてみると、僕自身はiPhoneをプログラミングのできるウォークマンという以前に「手のひらサイズのOS X」「小さいMacとして捉えていました。iPhoneが最初に発表されたときに、まず興奮したのは、あのサイズのデバイスで自分のソフトウェアが動かせる、外に持ち出せる!という点です。「電話」というのはほとんど二の次、三の次でした。今でもその視点は変わっていません。Mac上でプログラミングをしてきたひとならこの気持ち、分かってくれるはず。

実際、Appleのプレスリリースのなかにも、「iPhoneはOS Xをスモールサイズに…」という宣伝文句があったはず。ところが… ふたをあけてみると実際はかなり違っていた、というわけです。


“詳解 Objective-C 2.0″ (荻原 剛志)

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iPhoneは「プログラミングのできるウォークマン」ではなかった

僕がアメリカに行っている間に、「いつか音楽と呼ばれるもの」がアップデートされてました。今回は先日のIAMASでのプレゼンテーションの記録です。僕のバタバタなプレゼンと、プレゼン後の赤松さんとのディスカッションの模様をすべて観ることができます。お時間があれば、ぜひチェックしてみてください。

後半のiPhoneについてのディスカッションの中で、iPhoneの最大の魅力はiPhoneが「プログラミングのできるウォークマン」だということにつきるという趣旨のことを言いました。つまり、新しい音楽の聞き方/楽しみ方を、消費者に一番近いレベルで提案することができる。しかもそれが、一介のプログラマにも (SONYやAppleの開発者/デザイナでなくても)解放されている、という点に注目しているという話でした。ところが、iPhone SDK(開発キット)を触っていく中で、これらが実は「幻想」であったことに否応なしに気づかされました。

というのも、ユーザがiPhone内に保存しているmp3などの音楽ファイルへのアクセスが完全に禁止されているためです。つまり、ユーザがiTunesを経由してiPhoneにロードした音楽ファイルを、自作のアプリケーションから再生することができない、ということです。この制限によって、例えば次のようなアプリの制作が非常に困難になりました。

  • DJ/マッシュアップ - ユーザが持っている音楽を自由にミックスするアプリケーション
  • 音楽レコメンデーション - 加速度センサを使って取得したユーザの歩く/走るスピードに合わせてちょうどいいテンポの曲を自動的に選択してくれるアプリケーション
  • 語学 - 外国語のダイアログをスピードダウンして再生するアプリケーション


“The iPhone Developer’s Cookbook: Building Native Applications for the Iphone (Developer’s Library)” (Erica Sadun)

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freesoundsearchバージョンアップ

クリエイティブコモンズ(CC)ライセンスの音ネタのデータベース, freesoudプロジェクトのURLが変わったようです。以前の長いURL(freesound.iua.upf.edu)から、www.freesound.orgへと一気にすっきり! (ドメインの購入に4000ユーロもかけたとか…)

このドメインの変更に伴い、僕のMax/MSPオブジェクト “freesoundsearch” もアップデートしました。ダウンロードのページの更新はいずれ行うとして、とりあえずはここで公開しておきます。(freesoundsearchは、Max/MSP上からfreesoundの音源を検索/プレビュー/ダウンロードして使えるというオブジェクトです)

freesoundsearch v0.53b.zip

Freesoundは、今年のArs ElectronicaでもDigital Communities部門のHonorary Mentionも受賞してますね。Congratulations Bram!!

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[日誌] Googleキャンパス参詣

WWDCの最終日は午前中でだいたいのセッションが終了する。そこで、午後の時間を使って、シリコンバレーでいま最も熱いと言われる街、マウンテンビューを訪問しました。マウンテンビューと言えば、何と言ってもGoogleの城下町。なんとか、知り合いのつてを頼って見学させてもらえることに!

マウンテンビューのダウンタウン(といっても短い目抜き通りが一本あるだけだけど)からは少し離れた場所に位置する広大なGoogleキャンパス。ゲスト用の入り口を入るとそこは緑あふれる中庭。中庭に入ったとたんに、これは本当に会社なのかと目を疑うことに…

ビーチバレーのコート、恐竜の模型、菜園、オープンテラスのカフェ….

ちょうど食事時だったのか、中にはには思い思いに食事や休憩を楽しむ社員の姿が。みんなとにかく若い。前に行ったAppleに比べて、若い女性(しかもきれいな人が結構いた)が、ずっと多い気がするのは気のせいでしょうか。あまりオタク臭もしないし、まるで大学のキャンパスのよう。

受付でNDAにサインして”入園”。建物の中は、まさにギークのためのディズニーランド。写真パネルや映画にも登場する古いターミナル(機種は失念)など、映画「ウォーゲーム」(知ってるかな?)に関する品物が並べられた部屋があったり、古いアーケードゲームが置かれた部屋があったり…  建物の内部は撮影不可だったのが残念。

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[日誌] UCSBでAllosphere見学

ロサンゼルスから北へ車で1時間ほど走った場所にある街サンタバーバラに、カリフォルニア州立大学のひとつUC Santa Barbara(UCSB)があります。ノーベル賞受賞者が教授として数多く働いていることでも有名な大学です。今回のサンフランシスコ滞在の前にサンタバーバラを訪れ、UCSBの博士課程の学生として研究/制作を続けている作曲家の牧野豊氏に大学を案内してもらいました。

大学見学の目玉は、CREATE (Center for Research in Electronica Art Technology)Allosphereという施設。TMUGでも以前牧野氏に紹介してもらいましたが、球上のスクリーンを持つ「没入型映像音響体験施設」とでもいえばいいでしょうか。直径10m弱の半球の中央を通路がつらぬくような設計になっています。現在はプロジェクタの数の問題で、球の片面しか稼働していませんが、近い将来に球全体に3D映像を投影することができるようになるとのこと。体験者は通路から、3Dメガネをつけて3D映像を鑑賞/操作します。球上にならべられたマルチスピーカ(これも近いうちに数十チャンネルに拡張予定)を使って、音の定位も自由自在。

見学時にはデモ用に作られた脳の3Dモデルを見せていただきました (写真を撮るのを忘れたのですが、Flickrで写真を発見)。CREATEのとあるスタッフの脳の働きを実際に測定して作ったモデルとのことで、3Dの脳の中を「探検」することができます(「ミクロの決死圏」のような感じというと分かりやすいでしょうか)。また、脳の各部位の活動の活性度は、画面上を動き回るswarmのような仮想エージェントの動きで表現されているだけでなく、可聴化され耳で聞くこともできます。
# 3Dの没入感を写真でお伝えできないのが、残念! TMUG#6のムービーのあたりをご参照ください。

施設を案内してくれたDr JoAnn Kuchera-Morinからは
「今後はこうしたサイエンスの可視化のプロジェクトと並行して、没入型オーディオビジュアル作品の制作発表にセンターとして取り組んでいく」という話を伺いました。

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設備やコンテンツもさることながら、いかに多様なバックグラウンドを持つ人たちのコラボレーションで成り立っているかということにまず驚きました。例えば、現在取り組んでいる量子物理のプロジェクトでは、理論量子物理学者、コンピュータサイエンティスト(可視化と実装)、デザイナー(デザイン)、作曲家(可聴化)が共同作業を続けているとのこと。 博士の話の中でも、こうしたコラボレーションの難しさには何度も触れていました。それぞれ視点や目的が異なり、視野が狭くなりがちな専門家たちに、共通のビジョンをいかにもたせることができるか。そこにビジョナリーとしてのアーティストの存在意義があるということを何度も強調していたのが印象的です (博士ご自身も作曲で博士号を取得した作曲家だそうです)。

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[日誌] WWDC’08にみるAppleの戦略とiPhoneの行方

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先週一週間、AppleのWWDC(World Wide Developer Conference/開発者会議)に参加してきました! WWDCの前後にロサンゼルスとシリコンバレーを回ってきたので、そのあたりの話をこれからしばらくの間、書いていきます。まずはWWDCとiPhoneについて。

今回のWWDCは、3Gに対応したiPhoneの発表などがあったために日本のメディアでも大きく取り上げられたようですね。WWDCはMacのソフトウェアの開発に関する情報交換の場なのですが、今年はiPhoneの話題に乗っ取られたような感じでした。当初から3G iPhoneのリリース自体は噂されていましたが、価格設定(199ドル~)と発売時期(7/11)の発表は驚きをもって受け止められました。特に価格が発表されたときには会場全体が大いに湧きました。

日本での発売に関しては、つい先日ソフトバンクとの提携が発表されたばかり。プレスリリースの「年内に発売」という言葉に、クリスマス商戦への投入を予想していたのですが… 予想を上回る急ピッチでの市場投入に、開発スケジュールを前倒しするなどの対応を迫られることになった開発者も多いのではないでしょうか。

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[日誌] in LA

ロサンゼルスに滞在中。

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Amoeba Records. とにかく広い。これほど入れ墨率の高いレコード屋に行ったのは初めてというくらいみんなタトゥーをしてる。テクノ系は弱い感じがしたが、音響/実験音楽を含むいわゆるエレクトロ二カの品揃えはなかなか。時間があったら、じっくり掘ってみたいところです。(なんとなくアンドレアス・グルスキーっぽい写真を狙ってみた)

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アメリカでの最初の夕食は、Processingのサウンド用のライブラリEssの作者のKrister Olfssonと作曲家の牧野豊氏とともに、日本人街の居酒屋で。Californiaロールを食べたいという僕のリクエストに応えて、Kristerが探してくれたお店は、スタッフもお客もほとんどが日本人で、まだ日本にいるかのような感覚に襲われました。普通においしかった!

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IAMASでのゲストレクチャー

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「名古屋から大垣ってどこれくらいかかるの?」

iChatでぽろっと書いたことがきっかけとなり、IAMASでゲストレクチャーをすることに… そんなわけで、先週火曜日に岐阜県大垣に行ってきました!

レクチャーの内容は、最近僕が取り組んでいるMassh!システムのプレゼンテーションと、iPhoneがもたらす可能性についてのトークの二本立て。トークの相手を務めてくださったのが、iPhoneといえばこの人 - IAMASの赤松先生です。

プレゼンの方は、基本的にはDEMOsaでの発表をベースに、プロジェクトの背景と技術的なベースの部分を膨らましたような内容にしました。普段、「いつか~」で話している問題意識と、実際のシステムの中身とあわせて話せたらいいかなと思っていたのですが、どれくらい伝わったでしょうか。

特に聴取者と音楽の関係性やパッケージとしての音楽を買うことの意味がドラスティックに変化する中で、自分が音楽を作る意味を問い直すために、通常の音楽の制作から消費へというヒエラルキーの外に出るようなシステムが作りたかった、というポイントを強調したつもりです。プレゼンの中ではいまいち伝わらなかったかもしれませんが、その後の赤松さんとのトークの中でも何度かその点には触れました。

学生のみなさんのダイレクトな反応を感じることができただけでも、僕にとっては貴重な体験だったように思います。
たぶん、実際に作品制作に携わっている方の中には、Massh!のようなマッシュアップのシステムに対する嫌悪感を感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。それは制作者としては、ごくごく自然な感情なんでしょうね。願わくば, Massh!に対する否定的な意見も直に聞いてみたいところです。何か感じたことがあれば、なんでもいいのでコメントいただけると幸いです。

自分の中でも答えがでている問題ではないので、いまひとつ歯切れの悪いプレゼンになった感は否めません。僕なりの問題提起として受け取っていただけると幸いです。
後半のiPhoneの方は、話が拡散しがちでしたが、iPhone/Andoroidを例にオープン/クローズなシステム開発、双方の長所と短所や、集合知についてなど、かなりクリティカルな話題にも言及しました。全体としては、聞き上手の赤松さんのフォローにかなり助けられた感もあります…

当日は、直前の告知だったにも関わらず、50人近い方にお集りいただきました。やっぱり永野君の煽り気味の告知(「徳井直生 緊急来校!!」笑)が効いたんでしょうか。告知から会場の設置まで一手に引き受けてくれた永野君と、対談相手を務めてくださった赤松先生に感謝します。会場のセットアップを仕切ってくれたloziくん、ビデオを撮ってくれた斉藤さん、お集まりいただいたみなさん、ありがとうございました!
プレゼンの後は、インドネシア料理で乾杯。最後は4人の学生さんと、永野くん、僕の6人で朝2時くらいまで飲んでました。IAMASでの学生生活についてや、みなさんが自分の制作について考えいることなど、いろいろと聞かせてもらいました。遅くまでつき合ってくれたみなさん、ありがとう!また飲みましょう!

なお、この日の模様は、赤松さんのblog永野くんのblogでも取り上げられています。

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いつか音楽と呼ばれるもの #7

7回目の今回、東京芸大の金子さんを新しいメンバーにお迎えし、マッシュアップを中心に1時間半みっちり語っています。「いつか音楽と呼ばれるもの」のblogも永野君が用意してくれました。
(5、6回は公開準備中です!!)

いつか音楽と呼ばれるもの #007

金子さんがメンバーとして加入したことで、視野が広がると同時に、新しいアイデアが議論の中に盛り込まれていく感じがしてます。今後もこうした議論を、自分の制作にフィードバックしていくつもりです。

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Massh!プレゼンテーション @ DEMOsa

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先日のDEMOsaでのプレゼンテーションの録画をお送りします。
Massh!のコンセプトから、簡単なデモまで10分という制限時間にコンパクトにまとめてみました。途中、画面のサイズが合わずに焦ったりするシーンもありますが… ご愛嬌ということで。

ビデオを撮ってくださった山崎さんに大感謝!

上のDEMOsaのページには、
・UIがとてもおしゃれです。(同様コメントあり)
・曲の同時再生を直感的に操作出来るところが面白いです。
・かっこよかったです。
といった、アンケートの結果が載っています。おおむね好評だったようですが、逆に否定的な意見も聞いてみたいところです。

実はこの日、僕の直後に発表されたSONY CSLの宮島さんも、同様の音楽マッシュアップネタでした。宮島さんとは昔からおつきあいさせていただいていて、システムの内容も知っていたのですが、今回もやはり感心させられました。実際にあれだけちゃんとしたデモ曲を見せられると説得力がありますね。

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モジュラリティー/集団の創造性/コントロールの放棄/アーティスト幻想の終焉